問94 解答&解説
| 欄 | 品目番号 | 課税価格(円) |
|---|---|---|
| 第1欄 | 8516.60-0002 | 2,457,000 |
| 第2欄 | 8510.10-0001 | 1,543,500 |
| 第3欄 | 8516.31-0003 | 1,260,000 |
| 第4欄 | 9405.11-0002 | 1,228,500 |
| 第5欄 | 8539.52-010X | 378,000 |
1. 品目分類の根拠
| 品目 | 分類 | 理由 |
|---|---|---|
| 電気炊飯器 | 8516.60 | 家庭用電熱機器は第85.16項。電気炊飯器は「その他のオーブン、クッカー等」(8516.60)に属する。 |
| ヘアドライヤー | 8516.31 | 第8516.31号に特掲。8516.32(その他の頭髪用電熱機器)ではない。 |
| 電気かみそり | 8510.10 | 電動機を自蔵する電気かみそりは第85.10項に特掲(通則1・3(a): 85.16等の一般的な項より特殊な限定が優先)。 |
| LED電球 | 8539.52-010 | 光源そのもの(ランプ・電球)は第85.39項、LEDランプはHS2022で新設された第8539.52号。A形の統計細分は010。照明「器具」(94.05)と混同しないこと。 |
| LEDシャンデリア | 9405.11 | 照明器具は第94.05項(85類ではない)。天井用・壁用の電気式照明器具でLED光源専用に設計されたものはHS2022新設の第9405.11号。8539(光源)と9405(器具)の対比が本問最大のひっかけ。 |
| 卓上扇風機 | 8414.51-010 | 出力125W以下の電動機を自蔵する卓上用等の扇風機は第8414.51号に特掲され、電池内蔵式以外の扇風機の統計細分は010(第84類)。 |
2. 課税価格の計算(関税定率法第4条)
加算・不算入の判断:
- 海上運賃 US$1,600・保険料 US$400 → 加算(4条1項1号: 輸入港に到着するまでの運送に要する運賃・保険料)。FOB合計US$40,000に対し US$2,000 = 5% を価格按分。
- 無償提供した金型 1,890,000円 → 加算(4条1項3号ロ: 輸入貨物の生産のために使用された工具・鋳型等を買手が無償提供した場合の費用)。生産数量で按分: 1,890,000円 × 3,000個/10,000個 = 567,000円 を電気炊飯器のみに加算。
- 輸入港到着後の国内運送費用 80,000円 → 加算しない(輸入港到着「後」の運送費用は課税価格に算入しない)。
- 買手が自己のために行った検査の費用 150,000円 → 加算しない(買手が自己のために行う活動の費用。売手のための検査や売買条件として義務付けられた検査の費用と区別すること)。
- RCEP税率は原産地証明書等がないため適用不可(第59回輸入申告と同旨の指示)。税率はWTO協定税率による。
各品目の課税価格(1US$=150.00円):
| 品目 | FOB(US$) | ×1.05(運賃・保険料按分後) | 円換算 | 個別加算 | 課税価格(円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 電気炊飯器 | 12,000 | 12,600 | 1,890,000 | +567,000(金型) | 2,457,000 |
| ヘアドライヤー | 8,000 | 8,400 | 1,260,000 | — | 1,260,000 |
| 電気かみそり | 9,800 | 10,290 | 1,543,500 | — | 1,543,500 |
| LED電球 | 1,250 | 1,312.5 | 196,875 | — | 196,875 |
| LEDシャンデリア | 7,800 | 8,190 | 1,228,500 | — | 1,228,500 |
| 卓上扇風機 | 1,150 | 1,207.5 | 181,125 | — | 181,125 |
3. 少額合算の処理
- 課税価格20万円以下の少額貨物はLED電球(196,875円)と卓上扇風機(181,125円)。
- いずれも無税なので一括して一欄にまとめ、課税価格が最も大きいLED電球の品目番号を掲げる → 8539.52-010X。
- 合算後の課税価格: 196,875 + 181,125 = 378,000円。順位は合算後価格で判断し、本問では最小なので第5欄。
学習上の補足(4問共通)
- 少額合算の符号: 輸出「E」・輸入「X」。合算先の決め方は、輸出=申告価格最大の統計品目番号、輸入(有税)=適用関税率最高(同率なら課税価格最大)、輸入(無税)=課税価格最大。3回連続(57〜59回)で固定出題されており、第60回でも必出と予想する。
- 欄の順位は合算後の価格で判断する(問92で再現した第57回型)。少額欄=最終欄という思い込みは危険。
- 少額(20万円以下)の判定は、輸出はFOB申告価格、輸入は加算要素を織り込んだ課税価格で行う。同一品目番号の合算がある場合は合算後の額で判定する。
- 加算要素の定番判断(定率法4条1項): 仲介手数料=加算/買付手数料=不算入(2号イ)、容器・包装費用=加算(2号ロ・ハ)、無償提供の材料・工具・金型=加算・按分(3号イ・ロ)、輸入港までの運賃・保険料=加算(1号)、輸入港到着後の運送費=不算入、買手が自己のために行う検査・活動の費用=不算入。
- EPAの原産地証明方式の違い: CPTPP=自己申告のみ(原産品申告書)、日EU・日英EPA=自己申告のみ、RCEP=第三者証明(原産地証明書)・認定輸出者・自己申告の3方式。いずれも課税価格総額20万円以下は証明書類の提出不要。英国のCPTPP加入(2024年12月発効)は第60回の有力時事論点。