HS分類チートシート 第4章

4. 部注・類注の頻出ポイント

部注・類注は通則1により項の規定と同じ順位で所属を決める。表題も常識も注には勝てず、注が「含まない」と書けばその類には絶対に入らない。

以下の引用は関税定率法別表(関税率表)の条文そのままで、ルビ用の仮名(哺ほ乳類の「ほ」等)だけ落としてある。項番号の漢数字表記・「あつて」「よる」等の送り仮名も原文どおりで、試験の別冊もこの顔つきで配られる。条文を読む速度そのものが得点なので、抜粋は書き換えずに載せてある。

4.1 横断して効く注(一覧)

第16部注2|部分品のイラスト

第16部注2|部分品

①固有の項、②専用機械又は部分品の項、③その他8487・8548の順で判定。

第15部注|はん用性のイラスト

第15部注|はん用性

ねじ・ばね・錠などは機械の部分品ではなく、73類・83類等の固有の項へ。

第11部|混用繊維のイラスト

第11部|混用繊維

最大重量の繊維で分類。同率なら、等しく考慮する項のうち数字上最後。

第61類/第62類のイラスト

第61類/第62類

編物衣類は61、織物衣類は62。生地そのものは50〜60類。

第64類|履物のイラスト

第64類|履物

6401〜6405の項は、本底と甲の材料の組合せで決める。

通則3(b)|セットのイラスト

通則3(b)|セット

小売用セットは、全体に重要な特性を与える構成要素で分類。

第4類の除外のイラスト

第4類の除外

乳由来でも、カゼインは35類。マーガリンは15類。

第2類の除外のイラスト

第2類の除外

ソーセージその他の調製した肉は、第2類ではなく第16類。

第97類|骨董品のイラスト

第97類|骨董品

古そうという印象ではなく、製作後100年を超えることが基準。

このうち食品(第1部〜第4部)と機械(第16部)は注の量が突出して多く、申告書作成問題の題材も繰り返しこの2領域から出る。以下 §4.2・§4.3 で条文ごと詳述する。


4.2 食品の部注・類注(第1部〜第4部)

食品は「生鮮のうちは第1部・第2部、加工したら第4部」という大枠を、注が数値と方法で線引きする構造になっている。線の引き方は4種類しかなく、どの注もこのいずれかである。

線の引き方 代表する注 典型
加工方法で切る 第7類注3、第8類注3、第10類注1(B)、第19類注4、第20類注1(a) 乾燥までは7類/8類、それを超えたら20類
含有量の数値で切る 第16類注2(20%)、第4類注3(バターの乳脂肪80〜95%)、第20類注6・第22類注3(アルコール0.5%)、第15類注1(c)(バター15%) いわゆる20%ルール
他の類へ名指しで送る 第2類注1、第3類注1、第4類注5、第15類注1、第21類注1 腸・ぼうこう・胃→05.04
受け皿を決める 第9類注1、第21.06項、第23.09項 他の項に該当しない調製食料品→21.06

4.2.1 生きている動物と魚 — 第1類注1 / 第3類注1

【関税率表 第1類 注】

1この類には、次の物品を除くほか、すべての動物(生きているものに限る。)を含む。
(a)第〇三・〇一項、第〇三・〇六項、第〇三・〇七項又は第〇三・〇八項の魚並びに甲殻類、軟体動物及びその他の水棲無脊椎動物
(b)第三〇・〇二項の培養微生物その他の物品
(c)第九五・〇八項の動物

【関税率表 第3類 注】

1この類には、次の物品を含まない。
(a)第〇一・〇六項の哺乳類
(b)第〇一・〇六項の哺乳類の肉(第〇二・〇八項及び第〇二・一〇項参照)
(c)生きていない魚(肝臓、卵及びしらこを含む。)並びに生きていない甲殻類、軟体動物及びその他の水棲無脊椎動物で、食用に適しない種類又は状態のもの(第五類参照)並びに魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の水棲無脊椎動物の粉、ミール及びペレットで、食用に適しないもの(第二三・〇一項参照)
(d)キャビア及び魚卵から調製したキャビア代用物(第一六・〇四項参照)

読み方: 「生きている動物は1類」という原則に、注1が自分で3つ穴を開けている。生きた魚は03.01(3類)、サーカス・動物園の動物は95.08。3類の側も、鯨・いるか等の哺乳類は生きていても1類へ、その肉は2類へ送り返す。食用に適しない生きていない魚は5類、その粉・ミール・ペレットは23.01。キャビアは魚卵でも3類ではなく16.04。

4.2.2 肉・くず肉から落ちるもの — 第2類注1

【関税率表 第2類 注】

1この類には、次の物品を含まない。
(a)第〇二・〇一項から第〇二・〇八項まで又は第〇二・一〇項の物品で、食用に適しないもの
(b)食用の生きていない昆虫類(第〇四・一〇項参照)
(c)動物の腸、ぼうこう及び胃(第〇五・〇四項参照)並びに動物の血(第〇五・一一項及び第三〇・〇二項参照)
(d)動物性脂肪(第一五類参照。第〇二・〇九項の物品を除く。)
備考
1この表においてくず肉には、別段の定めがあるものを除くほか、臓器を含む。

読み方: 肉屋に並ぶものでも、腸・ぼうこう・胃は5類、脂肪は15類に落ちる。ただし脂肪のうち家きんの脂肪と豚の筋肉層のない脂肪(02.09)だけは2類に残るという二段構えで、ここが引っかけになる。臓器は備考1により「くず肉」に含まれ2類のまま。

品目 所属 根拠
豚の腸(ソーセージケーシング、塩蔵) 0504.00 第2類注1(c)
豚の背脂(生鮮) 02.09 第2類注1(d)の括弧書きで15類へ行かない
ラード(溶出したもの) 15類 第2類注1(d)。02.09は「溶出その他の方法で抽出してないもの」に限る
牛レバー(冷凍) 02類 第2類備考1(臓器はくず肉)
食用のコオロギ(冷凍) 0410 第2類注1(b)、第4類注6

4.2.3 酪農品は数値で決まる — 第4類注1〜6

【関税率表 第4類 注(抜粋)】

3第〇四・〇五項において次の用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。
(a)「バター」とは、専らミルクから得た天然のバター、ホエイバター及び還元バター(生鮮のもの及び加塩し又はランシッドしたものに限るものとし、缶詰バターを含む。)をいうものとし、乳脂肪分が全重量の八〇%以上九五%以下で、無脂乳固形分が全重量の二%以下であり、かつ、水分が全重量の一六%以下のものに限る。(後略)
(b)「デイリースプレッド」とは、油中水滴型の展延性のある乳化したものをいうものとし、脂肪としては乳脂肪のみを含有し、乳脂肪分が全重量の三九%以上八〇%未満のものに限る。
5この類には、次の物品を含まない。
(a)生きていない昆虫類のうち食用に適しないもの(第〇五・一一項参照)
(b)ホエイから得た物品で、無水乳糖として計算した乳糖の含有量が乾燥状態において全重量の九五%を超えるもの(第一七・〇二項参照)
(c)一以上のミルクの天然の組成分(例えば、酪酸グリセリド)を他の物質(例えば、オレイン酸グリセリド)で置き換えることによつてミルクから得た物品(第一九・〇一項及び第二一・〇六項参照)
(d)アルブミン(二以上のホエイたんぱく質の濃縮物を含むものとし、ホエイたんぱく質の含有量が乾燥状態において全重量の八〇%を超えるものに限る。第三五・〇二項参照)及びグロブリン(第三五・〇四項参照)

読み方: 第4類は「乳から来たもの」を集める類ではない。注5が、乳糖95%超のホエイ製品を17類へ、組成分を置き換えたものを19.01/21.06へ、ホエイたんぱく質80%超のアルブミンを35.02へ送り出す。カゼインは注5に名指しが無いが、第35.01項が項名で特掲しているので4類には残らない(第4類の各項のどれにも当たらない)。

数値の押さえどころ:

物品 数値の条件 所属
バター 乳脂肪 80%以上95%以下 / 無脂乳固形分 2%以下 / 水分 16%以下 04.05
デイリースプレッド 乳脂肪のみ・乳脂肪 39%以上80%未満 04.05
マーガリン 上記に当たらない(植物性油脂を含む等) 15.17
ホエイ由来品 乳糖 95%超(乾燥状態) 17.02
アルブミン ホエイたんぱく質 80%超(乾燥状態) 35.02
バター15%超を含む調製食料品 第15類注1(c)により15類から除外 主として21類

なお、天然はちみつは 0409、ローヤルゼリーその他の食用の動物性生産品は 0410(注6が「昆虫類」を定義し、それ以外の食用の動物性生産品の受け皿も同項)。甘味料でも17類には行かない。

4.2.4 野菜 — 乾燥・一時的保存・きのこ(第7類注2〜5)

【関税率表 第7類 注】

2第〇七・〇九項から第〇七・一二項までにおいて野菜には、食用きのこ、トリフ、オリーブ、ケーパー、かぼちや、なす、スイートコーン(ゼア・マユス変種サカラタ)、とうがらし属又はピメンタ属の果実、ういきよう、パセリ、チャービル、タラゴン、クレス及びスイートマージョラム(マヨラナ・ホルテンスィス及びオリガヌム・マヨラナ)を含む。
3第〇七・一二項には、次の物品を除くほか、第〇七・〇一項から第〇七・一一項までの野菜を乾燥した全てのものを含む。
(a)乾燥した豆でさやを除いたもの(第〇七・一三項参照)
(b)第一一・〇二項から第一一・〇四項までに定める形状のスイートコーン
(c)ばれいしよの粉、ミール、フレーク、粒及びペレット(第一一・〇五項参照)
(d)第〇七・一三項の乾燥した豆の粉及びミール(第一一・〇六項参照)
4この類には、とうがらし属又はピメンタ属の果実を乾燥し、破砕し又は粉砕したものを含まない(第〇九・〇四項参照)。
5第〇七・一一項には、使用に先立つて専ら輸送又は貯蔵の間一時的な保存に適する処理をした野菜(例えば、亜硫酸ガス又は塩水、亜硫酸水その他の保存用の溶液により保存に適する処理をしたもの)で、そのままの状態では食用に適しないもののみを含む。

読み方: 乾燥野菜は 07.12 に集まるが、注3が4つの逃げ道を作っている。乾燥豆(さやを除いたもの)は07.13、粉にすると11.05/11.06。生のとうがらしは7類だが、乾燥・破砕・粉砕すると注4により9類(09.04)へ移る — 香辛料としての扱いに変わるためで、頻出。

07.11(一時的保存)は「そのままの状態では食用に適しないもののみ」という限定が付く。塩水漬けオリーブでも、そのまま食べられる状態なら07.11ではなく20類側になる。第8類注4の 08.12 も同じ構造。

トリフ(黒トリュフ)がきのこ扱いで7類に入るのは注2による。第57回輸入申告の題材。

4.2.5 果実 — 冷蔵と乾燥(第8類注2・3)

【関税率表 第8類 注】

2冷蔵した果実及びナットは、当該果実及びナットで、生鮮のものと同一の項に属する。
3この類の乾燥した果実及びナットには、少量の水分を添加したもの又は次の処理をしたものを含む。
(a)保存性又は安定性を向上させるための処理(例えば、穏やかな加熱処理、硫黄くん蒸及びソルビン酸又はソルビン酸カリウムの添加)
(b)外観を改善し又は維持するための処理(例えば、植物油又は少量のぶどう糖水の添加)ただし、乾燥した果実又はナットの特性を有するものに限る。

読み方: 冷蔵=生鮮と同じ項、冷凍は08.11という段差がある。乾燥果実は、穏やかな加熱・硫黄くん蒸・植物油の添加程度なら8類に残る。一方、いった(ロースト)ナッツは20.08へ移る — 注3が許すのは保存性・外観のための処理までで、ローストはそれを超える。第57回のフリーズドライラズベリーは第1部注2(乾燥に凍結乾燥を含む)と合わせて読む。

4.2.6 香辛料の混合物 — 第9類注1

【関税率表 第9類 注】

1第〇九・〇四項から第〇九・一〇項までの物品の混合物は、次に定めるところによりその所属を決定する。
(a)同一の項の二以上の物品の混合物は、その項に属する。
(b)異なる項の二以上の物品の混合物は、第〇九・一〇項に属する。
第〇九・〇四項から第〇九・一〇項までの物品((a)又は(b)の混合物を含む。)に他の物品を加えて得た混合物のうち、当該各項の物品の重要な特性を保持するものについてはその属する項は変わらないものとし、その他のものについてはこの類に属さず、混合調味料にしたものは第二一・〇三項に属する。

読み方: 通則3を使わずに注が直接決める珍しい型。①同一項どうし→その項 ②異項どうし→09.10 ③香辛料以外を加えた場合、香辛料の重要な特性を保てば項は動かず、保てなければ9類を出て21.03(混合調味料)。カレー粉は09.10、塩・うま味調味料等で香辛料の特性を失った調合品は21.03。

4.2.7 穀物と穀粉の段差 — 第10類注1・2 / 第11類注1・2

【関税率表 第10類 注】

1
(A)この類の各項の物品は、穀粒があるもの(穂又は茎に付いているかいないかを問わない。)に限り、当該各項に属する。
(B)この類には、殻の除去その他の加工をした穀物を含まない。ただし、第一〇・〇六項には、玄米、精米、研磨した米、つや出しした米、パーボイルドライス及び砕米を含み、(後略)
2第一〇・〇五項には、スイートコーンを含まない(第七類参照)。

【関税率表 第11類 注(抜粋)】

1この類には、次の物品を含まない。
(a)いつた麦芽で、コーヒー代用物にしたもの(第〇九・〇一項及び第二一・〇一項参照)
(b)第一九・〇一項の調製した穀粉、ひき割り穀物、ミール及びでん粉
(c)第一九・〇四項のコーンフレークその他の物品
(d)第二〇・〇一項、第二〇・〇四項又は第二〇・〇五項の調製し又は保存に適する処理をした野菜
(後略)

読み方: 第10類は「穀粒のまま」の類で、加工すると原則として抜ける。米(10.06)だけが精米・研磨・パーボイルドまで10類に残るという単独の例外を持つ。とうもろこしは10.05だが、スイートコーンは注2により野菜(7類)。

11類は粉・でん粉の類だが、注1が19類・20類へ出口を作る。さらに注2は、でん粉と灰分の含有率で11類か23.02(ふすま・ぬか)かを分け、ふるいの通過率で 11.01/11.02(粉)か 11.03/11.04(ひき割り・ペレット)かを分ける — 数値表を伴う唯一の類注で、択一の題材になる。

加工段階の階段(小麦の例): 小麦 10.01 → 小麦粉 11.01 → 調製した穀粉 19.01 → パスタ 19.02 → パン・ビスケット 19.05。

4.2.8 採油用の種と播種用の種 — 第12類注1・3

【関税率表 第12類 注(抜粋)】

1第一二・〇七項には、油やしの実、パーム核、綿実、ひまの種、ごま、マスタードの種、サフラワーの種、けしの種及びシャナットを含むものとし、オリーブ(第七類及び第二〇類参照)及び第〇八・〇一項又は第〇八・〇二項の物品を含まない。
3ビート、牧草、観賞用の花、野菜、森林樹、果樹、ベッチ(ヴィキア・ファバ種を除く。)又はルーピンの種は、第一二・〇九項の播種用の種とみなす。
もつとも、次の物品は、播種用のものであつても、第一二・〇九項には含まない。
(a)豆及びスイートコーン(第七類参照)
(b)第九類の香辛料その他の物品
(c)穀物(第一〇類参照)
(d)第一二・〇一項から第一二・〇七項まで又は第一二・一一項の物品

読み方: 「まく種はすべて12.09」ではない。豆・スイートコーンは播種用でも7類、香辛料は9類、穀物は10類、採油用の種は12.01〜12.07。用途(播種用)より品目の側が勝つ構造で、注3の但し書きがそのまま出題される。

4.2.9 油脂から落ちるもの — 第15類注1

【関税率表 第15類 注(抜粋)】

1この類には、次の物品を含まない。
(a)第〇二・〇九項の豚又は家きんの脂肪
(b)カカオ脂(第一八・〇四項参照)
(c)調製食料品(第〇四・〇五項の物品の含有量が全重量の一五%を超えるものに限る。主として第二一類に属する。)
(d)獣脂かす(第二三・〇一項参照)及び第二三・〇四項から第二三・〇六項までの油かす
(e)脂肪酸、調製ろう、医薬品、ペイント、ワニス、せつけん、調製香料、化粧品類、硫酸化油その他の第六部の物品
(f)油から製造したファクチス(第四〇・〇二項参照)

読み方: 第15類は油脂を集める類だが、カカオ脂だけは18類、バター(04.05)を15%超含む調製食料品は21類、油かすは23類。ここでも「素材の類より、特定の項の指定が勝つ」。マーガリンが15.17なのは、04.05の定義(§4.2.3)に当たらないから15類に残るという消去法で理解する。

4.2.10 20%ルール — 第16類注2(第4部で最初に効く注)

【関税率表 第16類 注】

1この類には、第二類、第三類、第四類の注6又は第〇五・〇四項に定める方法により調製し又は保存に適する処理をした肉、くず肉、魚、甲殻類、軟体動物及びその他の水棲無脊椎動物並びに昆虫類を含まない。
2ソーセージ、肉、くず肉、血、昆虫類、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の水棲無脊椎動物の一以上を含有する調製食料品で、これらの物品の含有量の合計が全重量の二〇%を超えるものは、この類に属する。この場合において、これらの物品の二以上を含有する調製食料品については、最大の重量を占める成分が属する項に属する。前段及び中段のいずれの規定も、第一九・〇二項の詰物をした物品及び第二一・〇三項又は第二一・〇四項の調製品については、適用しない。

この注は第4部全体のスイッチで、18類・19類・20類・21類の各注1が同じ文言で裏返しの除外を置いている。

類 除外規定 除外されない例外
18類 注1(a) 20%超は16類 —
19類 注1(a) 20%超は16類 第19.02項の詰物をした物品
20類 注1(c) 20%超は16類 —
21類 注1(e) 20%超は16類 第21.03項・第21.04項のもの

手順: ①肉・魚等の合計が全重量の20%を超えるか → 超えなければ16類ではない ②超えるなら16類 ③16類の中では最大重量を占める成分の項(肉なら16.01/16.02、魚なら16.04、甲殻類なら16.05) ④ただし肉入りラビオリ(19.02)・肉入りソース(21.03)・肉入りスープ(21.04)は20%を超えても元の項のまま。

注1も重要で、2類・3類の方法(塩蔵・乾燥・くん製等)にとどまるものは16類に来ない。くん製の魚は3類、ソーセージは16.01。

4.2.11 砂糖菓子とココア — 第17類注1 / 第18類注1・2

【関税率表 第17類 注】

1この類には、次の物品を含まない。
(a)ココアを含有する砂糖菓子(第一八・〇六項参照)
(b)第二九・四〇項の糖類(化学的に純粋なものに限るものとし、しよ糖、乳糖、麦芽糖、ぶどう糖及び果糖を除く。)その他の物品
(c)第三〇類の医薬品その他の物品

【関税率表 第18類 注】

2第一八・〇六項には、ココアを含有する砂糖菓子及び、1の調製品を除くほか、ココアを含有するその他の調製食料品を含む。

読み方: ココアを含むかどうかの一線で 17.04 と 18.06 が分かれる。ただし18類注1が、04.03(ヨーグルト)・19.01・19.02・19.04・19.05・21.05(アイスクリーム)・22.02・22.08・30.03/30.04 を先に取ってしまうので、ココア入りでも18.06に来ないものが多い。チョコレートアイスは21.05、ココア入りビスケットは19.05。

なお第20類注2により、フルーツゼリー・砂糖で覆つたアーモンド等が砂糖菓子の形状なら17.04、チョコレート菓子の形状なら18.06へ移る(20.07/20.08には残らない)。

4.2.12 穀粉調製品とベーカリー — 第19類注2〜4

【関税率表 第19類 注(抜粋)】

3第一九・〇四項には、完全に脱脂したココアとして計算したココアの含有量が全重量の六%を超える調製品及び第一八・〇六項のチョコレートその他のココアを含有する調製食料品で完全に覆つた調製品を含まない(第一八・〇六項参照)。
4第一九・〇四項において「その他の調製をしたもの」とは、第一〇類又は第一一類の項又は注に定める調製又は加工の程度を超えて調製又は加工をしたものをいう。

読み方: 19.04(コーンフレーク等)はココア6%超、またはチョコレートで完全に覆つたものだと18.06へ抜ける。19.01の項名にもココア40%未満(穀粉系)/5%未満(04.01〜04.04系)という数値条件が入っており、19類はココアの含有率で上下が切られている類だと覚える。注4は「10類・11類で許される加工の程度を超えたもの」という相対的な定義で、加工段階の階段(§4.2.7)と対で問われる。

4.2.13 野菜・果実の調製品とジュース — 第20類注1〜6

【関税率表 第20類 注(抜粋)】

1この類には、次の物品を含まない。
(a)第七類、第八類又は第一一類に定める方法により調製し又は保存に適する処理をした野菜、果実及びナット
(中略)
(d)第一九・〇五項のベーカリー製品その他の物品
(e)第二一・〇四項の均質混合調製食料品
2第二〇・〇七項及び第二〇・〇八項には、フルーツゼリー、フルーツペースト、砂糖で覆つたアーモンドその他これらに類する物品で、砂糖菓子の形状のもの(第一七・〇四項参照)及びチョコレート菓子の形状のもの(第一八・〇六項参照)を含まない。
4トマトジュースで含有物の乾燥重量が全重量の七%以上のものは、第二〇・〇二項に属する。
5第二〇・〇七項において「加熱調理をして得られたもの」とは、水分を減らすことにより又はその他の手段により粘性を増すために、大気圧における又は減圧下での熱処理により得られたものをいう。
6第二〇・〇九項において「発酵しておらず、かつ、アルコールを加えてないもの」とは、アルコール分(第二二類の注2参照)が全容量の〇・五%以下のものをいう。

読み方: 注1(a)が20類の入口を守っている — 7類・8類・11類で認められる処理(乾燥・冷凍・一時的保存等)にとどまるものは20類に入れない。逆に言えば、それを超える調製をして初めて20類。

数値が3つ出る: トマトジュースは乾燥重量7%以上で20.02(未満なら20.09)、20.09のジュースはアルコール分0.5%以下、20.07のジャムは「加熱調理をして得られたもの」という方法の定義。第59回輸出申告(飲料)は、この0.5%の線と 20.09/22.02/22.04 の振り分けを正面から問うている。

4.2.14 受け皿としての第21類 — 第21類注1・3

【関税率表 第21類 注】

1この類には、次の物品を含まない。
(a)第〇七・一二項の野菜を混合したもの
(b)コーヒーを含有するコーヒー代用物(いつたものに限るものとし、コーヒーの含有量のいかんを問わない。第〇九・〇一項参照)
(c)香味を付けた茶(第〇九・〇二項参照)
(d)第〇九・〇四項から第〇九・一〇項までの香辛料その他の物品
(e)ソーセージ、肉、くず肉、血、昆虫類、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の水棲無脊椎動物の一以上を含有する調製食料品で、これらの物品の含有量の合計が全重量の二〇%を超えるもの(第一六類参照。第二一・〇三項及び第二一・〇四項のものを除く。)
(f)第二四・〇四項の物品
(g)酵母で、第三〇・〇三項又は第三〇・〇四項の医薬品その他の物品にしたもの
(h)第三五・〇七項の調製した酵素
21(b)のコーヒー代用物のエキスは、第二一・〇一項に属する。
3第二一・〇四項において「均質混合調製食料品」とは、二以上の基礎的な構成成分(例えば、肉、魚、野菜、果実及びナット)から成る混合物を微細に均質化したものから成る乳幼児用又は食餌療法用の調製品(小売用のもので正味重量が二五〇グラム以下の容器入りにしたものに限る。)をいう。(後略)

読み方: 第21類は「他の項に該当しない調製食料品」の受け皿(21.06)を持つが、注1がその手前で8つの入口を塞いでいる。香味を付けた茶は9類、いったコーヒー代用物は9類、調製酵素は35.07。一方で注2は、そのコーヒー代用物の”エキス”だけは21.01へ引き戻すという細かい折り返しを置いており、ここが択一の題材になる。

250グラム以下という数値は、21.04の均質混合調製食料品のほか、16.02(号注1 均質調製品)・20.05(号注1 均質調製野菜)・20.07(号注2 均質調製果実)にも同じ形で現れる。乳幼児用・食餌療法用+小売用+250グラム以下の3点セットで覚える。

4.2.15 アルコール分0.5%の線 — 第22類注2・3

【関税率表 第22類 注】

1この類には、次の物品を含まない。
(a)料理用に調製したこの類の物品(第二二・〇九項のものを除く。)で飲料に適しない処理をしたもの(主として第二一・〇三項に属する。)
(中略)
2第二〇類からこの類までにおいてアルコール分は、温度二〇度におけるアルコールの容量分による。
3第二二・〇二項において「アルコールを含有しない飲料」とは、アルコール分が〇・五%以下の飲料をいう。アルコール飲料は、第二二・〇三項から第二二・〇六項まで又は第二二・〇八項に属する。

読み方: 0.5%以下なら22.02(ノンアルコール飲料)、超えれば22.03〜22.06・22.08。測り方も注2が「温度20度における容量分」と定めており、重量%ではない。料理酒は注1(a)により21.03へ落ちるが、食酢(22.09)だけは料理用でも22類に残る。

第59回輸出申告の題材はこの線上に並んでいた: ビールテイスト飲料(Alc 0.7%)は22.03側、ノンアルコールワイン(Alc 0.1%)は22.02、りんご+にんじんミックスジュースは20.09。

4.2.16 飼料の第23類とたばこの第24類 — 第23類注1 / 第24類注2・3

【関税率表 第23類 注】

1第二三・〇九項には、植物性又は動物性の材料をその特性が消失する程度に処理して得た飼料用に供する種類の物品(植物のくず、植物のかす及び当該処理の際に生ずる副産物を除く。)で、他の項に該当しないものを含む。

【関税率表 第24類 注】

2第二四・〇四項及びこの類の他の項に同時に属するとみられる物品は、第二四・〇四項に属する。
3第二四・〇四項において「非燃焼吸引」とは、加熱供給その他の方法を通じた吸引で、燃焼を伴わないものをいう。

読み方: 23.09 は飼料の受け皿で、「その特性が消失する程度に処理」+「他の項に該当しない」の2条件。小売用の犬・猫用フードは 2309.10。第24類注2は24.04の絶対優先を定めており、加熱式たばこ・ニコチンパウチは他の項と競合しても24.04。第21類注1(f)がこれを受けている。

4.2.17 ○×ドリル(食品の部注・類注)

選択肢: ○=正しい ×=誤り

  1. 生きているうなぎは、第1類注1(a)により第1類ではなく第03.01項に属する。
  2. 塩蔵した豚の腸(ソーセージケーシング)は、第2類注1(c)により第05.04項に属する。
  3. 乳脂肪分が全重量の50%のスプレッドで、脂肪として乳脂肪のみを含有するものは、第4類注3(b)のデイリースプレッドとして第04.05項に属する。
  4. 乾燥し粉砕したパプリカ(とうがらし属の果実)は、乾燥野菜として第07.12項に属する。
  5. 播種用のスイートコーンの種は、第12類注3により第12.09項に属する。
  6. 肉の含有量が全重量の25%である肉入りラビオリは、第16類注2により第16.02項に属する。
  7. トマトジュースで含有物の乾燥重量が全重量の8%のものは、第20.02項に属する。
  8. アルコール分が全容量の0.4%のノンアルコールビールは、第22.02項に属する。
  9. 香味を付けた紅茶のティーバッグは、調製食料品として第21.06項に属する。
  10. いった落花生は、第8類注3の範囲を超える処理をしたものとして第20.08項に属する。

解答: 1. ○(第1類注1(a))/ 2. ○(第2類注1(c))/ 3. ○(乳脂肪39%以上80%未満・乳脂肪のみ)/ 4. ×(第7類注4により第09.04項)/ 5. ×(第12類注3(a)によりスイートコーンは第7類)/ 6. ×(第16類注2の末文により第19.02項の詰物をした物品には20%ルールを適用しない)/ 7. ○(第20類注4、7%以上)/ 8. ○(第22類注3、0.5%以下)/ 9. ×(第21類注1(c)により第09.02項)/ 10. ○(保存性・外観のための処理を超える)


4.3 機械の部注・類注(第16部・第84類・第85類)

機械の分類は、「どの項か」を探す前に「そもそも16部か」を確かめ、次に部分品なら注2の3原則を順に当てるという手順が固定されている。注が多く見えるが、実際に問われるのは以下の順序である。

4.3.1 まず第16部から落ちないかを見る — 第16部注1

【関税率表 第16部 注(抜粋)】

1この部には、次の物品を含まない。
(a)伝動用又はコンベヤ用のベルト及びベルチングで、第三九類のプラスチック製のもの及び加硫ゴム製のもの(第四〇・一〇項参照)並びに機械類、電気機器その他の技術的用途に供する種類の加硫ゴム(硬質ゴムを除く。)製品(第四〇・一六項参照)
(b)革製品及びコンポジションレザー製品(第四二・〇五項参照)並びに毛皮製品(第四三・〇三項参照)で、機械類その他の技術的用途に供する種類のもの
(中略)
(g)第一五部の注2の卑金属製のはん用性の部分品(第一五部参照)及びプラスチック製のこれに類する物品(第三九類参照)
(k)第八二類又は第八三類の物品
(l)第一七部の物品
(m)第九〇類の物品
(n)第九一類の時計その他の物品
(o)第八二・〇七項の互換性工具、これに類する互換性工具(作用する部分を構成する材料により、例えば、第四〇類、第四二類、第四三類、第四五類、第五九類、第六八・〇四項又は第六九・〇九項に属する。)及び機械の部分品として使用する種類のブラシ(第九六・〇三項参照)
(p)第九五類の物品

読み方: 「機械に付いているから機械の類」という発想を最初に潰すための注。ゴムベルト・革ベルトは材料の類、汎用性の部分品は15部、工具は82類、車両・船舶は17部、光学/精密は90類、時計は91類。

なお、同じものを第15部注2は「汎用性の部分品」、第16部注1(g)は「はん用性の部分品」と表記する。条文上の書き分けにすぎず、指しているものは同一。

4.3.2 部分品の3原則 — 第16部注2(最頻出)

【関税率表 第16部 注2】

2機械の部分品(第八四・八四項又は第八五・四四項から第八五・四七項までの物品の部分品を除く。)は、この部の注1、第八四類の注1又は第八五類の注1のものを除くほか、次に定めるところによりその所属を決定する。
(a)当該部分品は、第八四類又は第八五類のいずれかの項(第八四・〇九項、第八四・三一項、第八四・四八項、第八四・六六項、第八四・七三項、第八四・八七項、第八五・〇三項、第八五・二二項、第八五・二九項、第八五・三八項及び第八五・四八項を除く。)に該当する場合には、当該いずれかの項に属する。
(b)(a)のものを除くほか、特定の機械又は同一の項の複数の機械(第八四・七九項又は第八五・四三項の機械を含む。)に専ら又は主として使用する部分品は、これらの機械の項又は第八四・〇九項、第八四・三一項、第八四・四八項、第八四・六六項、第八四・七三項、第八五・〇三項、第八五・二二項、第八五・二九項若しくは第八五・三八項のうち該当する項に属する。ただし、第八五・一七項の物品及び第八五・二五項から第八五・二八項までのいずれかの項の物品に共通して主として使用する部分品は、第八五・一七項に属し、第八五・二四項の物品に専ら又は主として使用する部分品は、第八五・二九項に属する。
(c)その他の部分品は、第八四・〇九項、第八四・三一項、第八四・四八項、第八四・六六項、第八四・七三項、第八五・〇三項、第八五・二二項、第八五・二九項又は第八五・三八項のうち該当する項に属する。この場合において、該当する項がない場合には、第八四・八七項又は第八五・四八項に属する。

適用は必ずこの順。(a)を飛ばして「◯◯専用だから◯◯の部分品の項」と答えるのが最大の失点源である。

段階 判定 行き先
前提 注1・84類注1・85類注1で16部/類から落ちないか 落ちればその類へ(§4.3.1)
(a) その部分品自体が第84類・第85類の項に名指しされているか その項へ。ただし括弧内の11項(総括部分品項)は(a)の対象外
(b) (a)でなく、特定の機械または同一項の複数の機械に専ら又は主として使用するか その機械の項、または対応する総括部分品項
(c) どちらでもない 総括部分品項、無ければ 84.87 / 85.48

(a)で拾われる代表例(用途を問わずその項):

部分品 項 備考
電動機 85.01 機械に組み込む専用モーターでも85.01
コック・弁 84.81 84.81は弁そのものを名指ししている項
玉軸受・ころ軸受 84.82 磨き鋼球は第84類注7で84.82、その他の鋼球は73.26
トランスフォーマー・整流器 85.04 —
集積回路 85.42 第85類注12の絶対優先(§4.3.9)

(b)の但し書き2つは条文どおり暗記する: 85.17と85.25〜85.28に共通して主として使用する部分品は85.17、85.24(フラットパネルディスプレイモジュール)専用の部分品は85.29。

4.3.3 汎用性の部分品 — 第15部注2

【関税率表 第15部 注2】

2この表において「汎用性の部分品」とは、次の物品をいう。
(a)第七三・〇七項、第七三・一二項、第七三・一五項、第七三・一七項又は第七三・一八項の物品及び非鉄卑金属製のこれらに類する物品(内科用、外科用、歯科用又は獣医科用の物品で専らインプラントに使用するために特に設計されたもの(第九〇・二一項参照)を除く。)
(b)卑金属製のばね及びばね板(時計用ばね(第九一・一四項参照)を除く。)
(c)第八三・〇一項、第八三・〇二項、第八三・〇八項又は第八三・一〇項の製品並びに第八三・〇六項の卑金属製の縁及び鏡
第七三類から第七六類まで及び第七八類から第八二類まで(第七三・一五項を除く。)において部分品には、(a)から(c)までに定める汎用性の部分品を含まない。

対象の中身:

区分 項 物品
(a) 73.07 / 73.12 / 73.15 / 73.17 / 73.18 管接続具、より線・ケーブル、チェーン、くぎ・びよう、ねじ・ボルト・ナット・座金
(b) — 卑金属製のばね及びばね板(時計用ばね91.14を除く)
(c) 83.01 / 83.02 / 83.08 / 83.10 / 83.06 錠、取付具・附属品、留金・ハトメ、サインプレート、卑金属製の縁及び鏡

「非鉄卑金属製のこれらに類する物品」を含むので、ステンレスでも銅でもアルミでも同じ。第16部注1(g)により、これらは機械専用に設計されていても機械の部分品にはならず、プラスチック製のこれに類する物品は39類へ行く。工作機械専用の特殊ボルトも73.18である。

4.3.4 複合機械・機能ユニット・主たる機能 — 第16部注3〜5

【関税率表 第16部 注3〜5】

3二以上の機械を結合して一の複合機械を構成するもの及び二以上の補完的又は選択的な機能を有する機械は、文脈により別に解釈される場合を除くほか、主たる機能に基づいてその所属を決定する。
4個別の構成機器から成る機械(機械を結合したものを含む。)については、当該構成機器(分離しているかいないか又は配管、伝動装置、電線その他の装置により相互に接続しているかいないかを問わない。)が第八四類又は第八五類のいずれかの項に明確に規定された単一の機能を分担して有している場合には、当該機械は、当該単一の機能に基づいてその所属を決定する。
51から4までにおいて「機械」とは、第八四類又は第八五類の各項の機械類及び電気機器をいう。

読み方: 注3は1台の中に複数機能がある場合(複合機械)、注4は離れた機器が全体で1つの機能を果たす場合(機能ユニット)。注4は「分離しているかいないかを問わない」と明記しているので、別々に据え付けられ配管でつながれた一式でも、全体で単一の機能なら1つの項になる。プリンター・スキャナー・コピー機能を1台に収めた複合機は注3で主たる機能により決める。

4.3.5 自動データ処理機械(84.71) — 第84類注6

【関税率表 第84類 注6(抜粋)】

(A)第八四・七一項において「自動データ処理機械」とは、次の能力を有する物品をいう。
(i)処理用プログラム及びその実行に直接必要なデータを記憶すること。
(ii)使用者の必要に応じて異なるプログラムを受け入れることができること。
(iii)使用者が特定する算術計算を実行すること。
(iv)人の介入なしに、処理用プログラム(処理の進行中において論理判断によりその実行の変更を命令するもの)を実行すること。
(C)(D)及び(E)の規定に従うことを条件として、ユニットは、次の要件を満たす場合には、自動データ処理システムの一部とみなす。
(i)自動データ処理システムに専ら又は主として使用する種類のものであること。
(ii)中央処理装置に直接又は一以上の他のユニットを介して接続することができること。
(iii)当該システムにおいて使用する形式の符号又は信号によるデータを受け入れ又は送り出すことができること。
自動データ処理機械を構成するユニットは、単独で提示する場合にも、第八四・七一項に属する。
また、(C)(ii)及び(C)(iii)の要件を満たすキーボード、X―Y座標入力装置及びディスク記憶装置は、自動データ処理機械を構成するユニットとして第八四・七一項に属する。
(D)6(C)の条件を満たす場合であつても、第八四・七一項には、単独で提示する場合には、次の物品を含まない。
(i)プリンター、複写機及びファクシミリ(結合してあるかないかを問わない。)
(ii)音声、画像その他のデータを送受信するための機器(有線又は無線回線網(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN))において通信するための機器を含む。)
(iii)拡声器及びマイクロホン
(iv)テレビジョンカメラ、デジタルカメラ及びビデオカメラレコーダー
(v)モニター及びプロジェクター(テレビジョン受像機を除く。)
(E)自動データ処理機械を自蔵する機械及び自動データ処理機械と連係して作動する機械で、データ処理以外の特定の機能を有するものは、当該特定の機能に基づいてその所属を決定する。この場合において、該当する項がない場合には、その他のものの項に属する。

読み方: (C)で「PC周辺機器は単独提示でも84.71」と広げておいて、(D)がその中から5類型を名指しで引き抜くという構造。引き抜かれた先は次のとおり。

単独で提示した物品 所属 根拠
キーボード、マウス(X―Y座標入力装置)、ディスク記憶装置 84.71 注6(C)後段(明文で84.71)
プリンター、複写機、ファクシミリ 84.43 注6(D)(i)
LAN/WAN用の通信機器(ルーター等) 85.17 注6(D)(ii)
拡声器・マイクロホン 85.18 注6(D)(iii)
デジタルカメラ、ビデオカメラレコーダー 85.25 注6(D)(iv)、第84類注1(f)
PC用モニター、プロジェクター 85.28 注6(D)(v)
ノートPC(重量10kg以下でCPU・キーボード・ディスプレイから成る) 8471.30 注6(A)

(E)は逆向きで、PCを内蔵していてもデータ処理以外の特定の機能を持つ機械は、その機能で分類する。券売機・ATM・産業機械の制御盤などがこれで84.71から外れる。

4.3.6 項どうしの優先 — 第84類注2・注3・注8

【関税率表 第84類 注(抜粋)】

2第八四・〇一項から第八四・二四項まで又は第八四・八六項に該当する機械類で同時に第八四・二五項から第八四・八〇項までに該当するものは、この部の注3及びこの類の注11の規定によりその所属が決定される場合を除くほか、第八四・〇一項から第八四・二四項まで又は第八四・八六項の該当する項に属する。
3第八四・五六項に該当する加工機械で、同時に第八四・五七項から第八四・六一項まで、第八四・六四項又は第八四・六五項のいずれかの項に該当するものは、第八四・五六項に属する。
8二以上の用途に供する機械は、主たる用途に基づいてその所属を決定する。
主たる用途がいずれの項にも定められていない機械及び主たる用途が特定できない機械は、この類の注2又はこの部の注3の規定によりその所属を決定する場合及び文脈により別に解釈される場合を除くほか、第八四・七九項に属する。(後略)

読み方: 第84類の中では前半(84.01〜84.24=汎用機械)が後半(84.25〜84.80=用途別機械)に優先する。レーザー加工機(84.56)は工作機械の項(84.57以降)に優先する。用途が特定できない機械の最終受け皿が84.79(固有の機能を有する機械類)で、その部分品は注2(b)により84.79へ、または(c)で84.87。

4.3.7 表中のどの項にも優先する注 — 第84類注10・注11 / 第85類注7・注12

条文が「この表の他のいずれの項にも優先する」と書いている箇所は、通則3を経由せずに勝つ。数は少ないので丸暗記でよい。

注 対象 効果
第84類注10 84.85(積層造形用の機械=3Dプリンター) 部注1・類注1で落ちない限り84.85。表の他の項には該当しない
第84類注11(D) 84.86(半導体・FPD製造用機器) 同上
第85類注7 85.24(フラットパネルディスプレイモジュール) この表の他のいずれの項にも優先
第85類注12末文 85.41 / 85.42(半導体デバイス・集積回路) 第85.23項を除き、機能からみて属するとみられる他のいずれの項にも優先

85.41/85.42 の優先から 85.23(記録媒体・スマートカード)だけが外れている点が引っかけになる。フラッシュメモリーカードは集積回路を内蔵していても85.23(第85類注6(a))。

4.3.8 家庭用電気機器の20キログラム — 第85類注4

【関税率表 第85類 注4】

4第八五・〇九項には、通常家庭で使用する種類の次の電気機械式機器のみを含む。
(a)床磨き機、食物用グラインダー、食物用ミキサー及び果汁又は野菜ジュースの搾り機(重量を問わない。)
(b)その他の機器で重量が二〇キログラム以下のもの
ただし、ファン及びファンを自蔵する換気用又は循環用のフード(フィルターを取り付けてあるかないかを問わない。第八四・一四項参照)、遠心式衣類脱水機(第八四・二一項参照)、皿洗機(第八四・二二項参照)、家庭用洗濯機(第八四・五〇項参照)、ロール機その他のアイロンがけ用機械(第八四・二〇項及び第八四・五一項参照)、ミシン(第八四・五二項参照)、電気ばさみ(第八四・六七項参照)並びに電熱機器(第八五・一六項参照)を除く。

読み方: 85.09 は「電動装置を自蔵する家庭用電気機器」の項だが、(a)の4種だけは重量無制限、それ以外は20kg以下という二段構え。さらに但し書きが8種を名指しで84類等へ送り返す。

最頻出の分岐は「電動か電熱か」である。

物品 所属 理由
ミキサー、ジューサー、フードプロセッサー 8509.40 注4(a)。重量を問わない
電気シェーバー・バリカン 85.10 項で特掲
真空式掃除機 85.08 85.09の項名が明文で除外
電子レンジ 8516.50 電熱機器
トースター、電気ケトル、コーヒーメーカー、電気アイロン、ヘアドライヤー 85.16 注4但し書き(電熱機器)
家庭用洗濯機 84.50 注4但し書き
皿洗機 84.22 注4但し書き
家庭用ミシン 84.52 注4但し書き
扇風機・換気扇 84.14 注4但し書き

4.3.9 スマートフォンの定義 — 第85類注5

【関税率表 第85類 注5】

5第八五・一七項において「スマートフォン」とは、自動データ処理機械の機能(例えば、複数のアプリケーション(サードパーティー製のものを含む。)のダウンロード及び作動の同時実行)を果たすように設計されたモバイルオペレーティングシステムを搭載した携帯回線網用の電話(デジタルカメラ、ナビシステムその他の機能を備えているかいないかを問わない。)をいう。

読み方: カメラもGPSもPC機能も持つのに、それらの項ではなく85.17と注が直接決めている。号は 8517.13(スマートフォン)/8517.14(その他の携帯電話)。タブレットは電話機能がないので 8471.30 側に残る、という対比で覚える。

4.3.10 第84類・第85類・第90類の三つ巴

第16部注1(m)により90類の物品は16部に入らない。カメラはここで割れる。

物品 所属 根拠
デジタルカメラ、ビデオカメラレコーダー、テレビジョンカメラ 85.25 第84類注1(f)、第84類注6(D)(iv)
フィルム式写真機 90.06 第16部注1(m)
内科用・外科用等の真空装置 90.18 第85類注1(d)

4.3.11 作業手順のまとめ

  1. 16部から落ちないか(第16部注1、第84類注1、第85類注1) — ゴム・革・汎用性の部分品・工具・車両・光学・時計・がん具は最初に抜ける
  2. 表中のどの項にも優先する注に当たらないか(84.85 / 84.86 / 85.24 / 85.41・85.42) — 当たればそこで確定
  3. 完成機械か部分品か
    • 完成機械 → 複合機械・機能ユニットなら主たる機能(第16部注3・4)、二以上の用途なら主たる用途(第84類注8)、84類内の前後関係(第84類注2・3)
    • 部分品 → 第16部注2の(a)→(b)→(c)を必ずこの順で(§4.3.2)
  4. 号(6桁)は通則6で、同一水準の号どうしだけを比較

4.3.12 ○×ドリル(機械の部注・類注)

選択肢: ○=正しい ×=誤り

  1. 工作機械に専用に設計された鋼製のボルトは、第16部注2(b)によりその工作機械の部分品の項に属する。
  2. 冷蔵庫に組み込むために設計された電動機は、第16部注2(a)により第85.01項に属する。
  3. パーソナルコンピュータ専用に設計された液晶モニターを単独で提示する場合、第84.71項に属する。
  4. コンピュータ用のキーボードを単独で提示する場合、第84.71項に属する。
  5. 重量が15キログラムの家庭用電気式トースターは、第85.09項に属する。
  6. 重量が25キログラムの家庭用電気ミキサーは、第85.09項に属する。
  7. 3Dプリンター(積層造形用の機械)は、第84類注10により第84.85項に属し、この表の他の項には該当しない。
  8. スマートフォンは、デジタルカメラの機能を備えている場合でも第85.17項に属する。
  9. 第84類・第85類のどの項にも該当せず、特定の機械専用でもない機械の部分品(電気用物品を有しないもの)は、第84.87項に属する。
  10. 配管で相互に接続された複数の機器が全体として第84類のある項に規定された単一の機能を果たす場合、その機能に基づいて所属を決定する。

解答: 1. ×(第15部注2(a)の汎用性の部分品。第16部注1(g)により16部から抜け、第73.18項)/ 2. ○(注2(a)。85.01は総括部分品項ではないので(a)で拾われる)/ 3. ×(第84類注6(D)(v)により第85.28項)/ 4. ○(第84類注6(C)後段が明文で84.71とする)/ 5. ×(第85類注4但し書きの電熱機器。第85.16項)/ 6. ○(注4(a)のミキサーは重量を問わない)/ 7. ○(第84類注10)/ 8. ○(第85類注5)/ 9. ○(第16部注2(c))/ 10. ○(第16部注4の機能ユニット)