通関実務解答第60回

第60回 通関実務 第1問 解答

出典: 第60回(2026年)通関実務 第1問(配点5点)税関 通関士試験

正解

(a)③ 6102.20-0005
(b)⑤ 6105.20-0006
(c)⑥ 6111.20-2005
(d)⑭ 6216.00-5003
(e)⑬ 6204.69-000X

解説

解説は現在、無料で公開しています。条文は法令の条文から、通達は基本通達や告示から、設問は設問に与えられた表や別冊から判定できることを示します。

論点: 申告書作成(輸出)/条文: 関税法第67条、関税法施行令第59条の2、関税定率法第4条の7、関税定率法施行規則第1条

結論

申告価格はCIF価格から海上運賃6%と保険料4%を除いた90%を、前々週(9月13日〜19日)の160円で換算した額である。所属の決め手は、男女の別が判別できない衣類を女子用とする第61類の注9と、乳児用の物品を第61.11項に優先させる同類の注6(b)の二つである。

根拠

【申告価格】関税法第67条は輸出しようとする貨物の「品名並びに数量及び価格」の申告を求め、関税法施行令第59条の2第2項がその価格を「当該貨物の本邦の輸出港における本船甲板渡し価格」と定める。本船甲板渡し(FOB)価格には、輸出港に着くまでの国内運賃(記8イ・3%)と船積費用(記8ロ・5%)は含まれ、積込み後の海上運賃(記8ハ・6%)と保険料(記8ニ・4%)は含まれない。したがってCIF価格から6% + 4% = 10%を差し引いた90%が申告価格となる。

【換算相場】同条第4項が外国通貨の換算を「輸入貨物につき課税価格を計算する場合の例による」とし、関税定率法第4条の7第2項の委任を受けた関税定率法施行規則第1条が「同条第一項に規定する日の属する週の前々週における実勢外国為替相場の当該週間の平均値…に基づき税関長が公示する相場」とする。申告日の令和8年10月3日(土)を含む週は9月27日〜10月3日、前週は9月20日〜26日、前々週は9月13日〜19日で160円である。164円(申告日の属する週)や162円(前週)ではない。

【所属】

  • ユニセックスのオーバーコート(メリヤス編み・綿) — 記10により、タグの印字からも裁断からも男女の別が判別できない。第61類の注9後段は「男子用の衣類であるか女子用の衣類であるかを判別することができないものは、女子用の衣類が属する項に属する」とするから、第61.01項(男子用)ではなく第61.02項に入り、綿製で6102.20。
  • 乳児用ソックス(メリヤス編み・綿) — 第61.15項の靴下類にも、第61.11項の乳児用の衣類附属品にも属するとみられる。第61類の注6(b)が「第61.11項及びこの類の他の項に同時に属するとみられる物品は、第61.11項に属する」とするので第61.11項。綿製の6111.20のうち、細分200「パンティストッキング、タイツ、ストッキング、ソックスその他の靴下類」に当たる。記9の単糸83デシテックスは、67デシテックス未満を要件とする6115.21・6115.30を連想させる材料だが、第61.11項に決まる以上は効かない。
  • 男子用ポロシャツ(メリヤス編み・ポリエステル75%・綿25%) — 第61.05項。第11部の号注2(A)により二以上の紡織用繊維から成る物品は最大の重量を占める繊維のみから成るものとみなすので、ポリエステル(合成繊維=人造繊維)製の6105.20。綿製の6105.10にある「ポロシャツ」の細分100には入らない。
  • 織物製手袋(綿) — メリヤス編みではないので第61.16項ではなく、第62類の第62.16項(6216.00-500)。
  • 織物製女子用ショーツ(ビスコースレーヨン) — 第62.04項の「ズボン、胸当てズボン、半ズボン及びショーツ」。第54類の注1によりビスコースレーヨンは(b)の再生繊維(半合成繊維)であって「合成繊維」は(a)に限られるから、6204.63(合成繊維製)ではなく6204.69(その他の紡織用繊維製)。
  • 毛布(メリヤス編み・羊毛) — 第63.01項の羊毛製の毛布、6301.20。

計算

  1. 判断 申告価格はFOB価格であり、CIF価格からハ(6%)とニ(4%)を除いた90%。換算相場は前々週(9月13日〜19日)の160円。1ドル当たり 160 × 0.9 = 144 円となる。
  2. 算術 オーバーコート 5,250 × 0.9 × 160 = 756000
  3. 算術 ポロシャツ 3,250 × 0.9 × 160 = 468000
  4. 算術 乳児用ソックス 3,000 × 0.9 × 160 = 432000
  5. 算術 手袋 2,700 × 0.9 × 160 = 388800
  6. 算術 ショーツ 1,375 × 0.9 × 160 = 198000
  7. 算術 毛布 1,050 × 0.9 × 160 = 151200
  8. 判断 統計品目番号が同一の品目は無い。20万円以下はショーツ(198,000円)と毛布(151,200円)の二つで、記2により一欄にまとめる。
  9. 算術 198,000 + 151,200 = 349200
  10. 判断 記3により、まとめる前の申告価格が大きいショーツの6204.69を採り、10桁目をXとする。
  11. 判断 記6により申告価格の大きい順に並べる。756,000 / 468,000 / 432,000 / 388,800 / 349,200 の順。
品目 CIF(US$) 申告価格(円) 統計品目番号
オーバーコート 5,250 756,000 6102.20-0005
ポロシャツ 3,250 468,000 6105.20-0006
乳児用ソックス 3,000 432,000 6111.20-2005
手袋 2,700 388,800 6216.00-5003
ショーツ 1,375 198,000 6204.69(一括)
毛布 1,050 151,200 6301.20(一括)

各枝

  • (a)= 3 条文 ユニセックスのオーバーコートは記10により男女の別が判別できないので、第61類の注9後段により女子用の第61.02項に属する。綿製で6102.20-0005。男子用の6101.20-0000(選択肢2)ではない。申告価格756,000円が最大で第1欄。
  • (b)= 5 条文 男子用ポロシャツは第61.05項。第11部の号注2(A)により最大重量のポリエステルのみから成るものとみなし、人造繊維製の6105.20-0006。綿製の号に置かれたポロシャツの細分6105.10-1004(選択肢4)は、綿が25%にすぎないので当たらない。申告価格468,000円。
  • (c)= 6 条文 乳児用ソックスは第61類の注6(b)により第61.15項ではなく第61.11項に属する。綿製の6111.20のうち、別冊の細分200「パンティストッキング、タイツ、ストッキング、ソックスその他の靴下類」をとり6111.20-2005。6115.95-0002(選択肢7)は注6(b)で外れる。申告価格432,000円。
  • (d)= 14 条文 織物製の手袋は、第61類の注1(メリヤス編物又はクロセ編物を製品にしたものに限る)により第61.16項から外れ、第62類の第62.16項に属する。6216.00-5003。メリヤス編みの6116.92-0003(選択肢8)ではない。申告価格388,800円。
  • (e)= 13 条文 ショーツ198,000円と毛布151,200円は20万円以下で、記2により一欄にまとめる(合計349,200円)。記3によりまとめる前の申告価格が大きいショーツの番号を採る。ビスコースレーヨンは第54類の注1(b)の再生繊維で「合成繊維」ではないから6204.63ではなく6204.69であり、10桁目をXとして6204.69-000X。6204.63-000X(選択肢11)でも、毛布単独のE(選択肢15)でもない。