第2部 税率の選択と税額計算

論点2A 税率は「表の最小値」を選ぶのではない

判断課題

基本10%、暫定8%、WTO協定6%、EPA3%が並ぶ。必ず3%か。

原則

税率は数字を比べる前に、貨物の原産地と各制度の適用資格・手続要件を確認する。暫定税率が設定された品目では、基本税率との単純な高低比較をせず、暫定税率を国内法上の基準とする。その上で、資格のあるWTO協定税率・EPA税率等との関係を税関の公式フローに従って判定する。要件を欠く低税率は選択肢に入らない。

品目分類 → 原産地 → 制度の適用資格 → 証明・手続 → 所定の税率比較

最小の数字ではなく、使える税率の中から選ぶ。

適用できる事例 適用できない事例
EPA締約国の原産品で、当該EPAの原産地基準と必要な申告・証明を満たす。 締約国から積み出されたが、非原産材料の加工が基準を満たさず原産品でない。
WTO加盟国原産で、協定税率が国内法上の基本・暫定税率より低い。 原産地不明で、問題文上WTO協定税率の適用資格が確認できない。

結論を分ける事実

  1. 品目分類。
  2. 原産地。
  3. 税率制度の対象国・対象品目。
  4. 原産地証明等の手続要件。
  5. 国内法税率との高低関係。

典型的なひっかけ――誤った考え方

ミニドリル

基本10%、暫定8%、WTO協定6%、EPA3%。貨物はWTO加盟国原産だが、EPA原産品であることを満たさない。適用税率はどれか。

解答

6%。EPA3%は要件を欠く。暫定8%とWTO協定6%のうち低い6%を適用する。