3科目ガイド 06

第5章 第3科目・通関実務ミニ講義

30秒想起:通常の商業貨物で税額を申告する主体は誰か。分類・評価・税率は、申告手続の前に何を決める作業か。

5-1 知識科目ではなく処理科目

通関実務では、条文知識を、制限時間内に分類・計算・申告へ変換する。難しさは個々の知識よりも、複数の判断の順序にある。

指示を確認する → 分類・コード・数量単位を決める → 外貨換算する → 申告価格を算定・配賦する → 適用税率を選ぶ → 同一番号を取りまとめる → 少額処理をする → 欄順を決める → 税額と端数を処理する → 転記・検算する

途中の判断を頭の中だけで行うと、後の修正で崩れる。問題冊子へ根拠と中間値を残す。

5-2 品目分類

品目分類は、商品名の印象ではなく、関税率表の解釈に関する通則、部注・類注、項・号の文言で行う。まず通則1で項までを検討し、必要な場合に未完成品、混合物、セット、類似品等に関する後続の通則を適用する。

学習時は、品目を単独で暗記するより境界を対にする。

商品名から番号へ飛ばない。性状 → 通則・注 → 項・号の順に進む。

詳細は『関税率表 所属(HS分類)チートシート』で確認する。

5-3 課税価格

仕入書記載額を出発点にしてよいが、そこが結論ではない。仕入書記載額はFOB、CIF等の価格条件と併せて読む。

  1. 輸入取引があるか。
  2. 仕入書記載額と現実支払価格は一致するか。
  3. 加算要素が既に価格へ含まれているか。
  4. 含まれていない加算要素を合理的に配賦できるか。
  5. 輸入申告の日以後に行われる据付け等、所定の費用が支払総額から明らかに区分でき、現実支払価格へ算入しない取扱いとなるか。

費用名だけでは判定できない。倉庫料は引渡し前か後か、輸入港までの運送に関連するかで結論が変わる。ロイヤルティ等は輸入貨物に係るか、その輸入貨物の輸入取引をするための支払であるかで結論が変わる。『ケースで身につく通関実務』では、結論が異なる事例を並べて学ぶ。

費用名 名称より先に問う事実
倉庫料 引渡しの前後、輸入港までの運送との関連
手数料 誰の代理人か、誰の計算・危険負担か
ロイヤルティ等 輸入貨物に係るか、輸入取引をするための支払か
据付費等 いつ行う役務か、支払総額から額を明らかにできるか

費用名ではなく、時点・目的・関係で判定する。

5-4 税率と端数処理

基本税率、暫定税率、WTO協定税率、一般特恵・特別特恵、EPA税率は、原産地と手続要件を確認してから適用する。従価税では、各申告欄の課税価格の1,000円未満を切り捨てて税率を乗じ、各欄の関税額を合計した後、その確定金額の100円未満を切り捨てる。

「先に合計してから課税標準を丸める」「各欄の関税額を100円単位へ丸めてから合計する」という順序の入替えは誤答になる。

各欄の課税価格
    ↓ 1,000円未満切捨て
各欄の課税標準 × 税率
    ↓ 円単位のまま全欄を合計
関税の確定金額
    ↓ 100円未満切捨て
答案の関税額

欄では1,000円、合計後は100円。丸める場所を入れ替えない。

5-5 申告書問題

申告書問題では、同一番号の取りまとめと少額合算を区別する。直近の公式問題では、おおむね次の指示が置かれている。

XE は輸出・輸入の単純な区別ではない。また、代表番号の選択、欄の並べ方、価格の端数処理は問題文の指示に従う。年度・設問ごとの指示を、一般法則と思い込まない。

5-6 時間配分と検算

申告書は、すべての分類に確信が持てるまで先へ進まない戦略では時間を失う。確実な品目から分類し、未確定箇所を明示して価格配賦へ進む。

最後の検算は次の順に行う。

検算は前から読み直さず、総額から逆向きにたどる。

  1. インボイス全品目がいずれかの欄へ一度だけ入っているか。
  2. 配賦した価格の合計が総額と一致するか。
  3. 少額合算前後で総額が変わっていないか。
  4. 有税・無税、XEを取り違えていないか。
  5. 指定された桁数・単位・丸めで転記したか。

この章の振り返り

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