第1部 現実支払価格と課税価格
論点1A 仕入書記載額は、そのまま現実支払価格か
判断課題
仕入書記載額1,000万円を支払った。課税価格の出発点は必ず1,000万円か。価格条件は別途確認済みとする。
原則
仕入書は出発点。支払総額が判断対象。
現実支払価格は、買手が売手に対し、又は売手のために、輸入貨物の輸入取引をするために行った・行うべき支払の総額である。仕入書記載額は通常その基礎になるが、両者は常に一致しない。FOB、CFR、CIF等のどの価格条件かも併せて確認する。
公課の例外:輸出国で、輸出の際に軽減又は払戻しを受けるべき関税その他の公課は、現実支払価格に含めない。
課税価格に算入する事例 [価格] |
課税価格に算入しない事例 [別2] |
|---|---|
| 仕入書代金とは別に、契約上必要な割増金を売手へ支払う。 | 買手が自己のために国内広告を行い、広告会社へ支払う。 |
| 買手が売手の部品代債務を第三者へ代払いする。 | 買手が売手から受けた融資について、貨物と関係のない金利を支払う。 |
結論を分ける事実
支払名や送金先ではなく、輸入貨物の輸入取引をするために、売手に対し又は売手のために行われた支払かを見る。国内の第三者への支払でも該当し得る。
典型的なひっかけ――誤った考え方
- 「インボイスにない支払は課税されない」という思い込み。
- 「第三者への支払は現実支払価格に含まれない」という思い込み。
- 「売手の利益になる活動はすべて間接支払」という思い込み。買手が自己のために行う広告・販売促進等は、法定の加算対象でない限り間接支払ではない。
- 輸出国で払い戻されるべき輸出税まで課税価格に含める誤り。払戻しを受けるべき公課は現実支払価格から除く。
ミニドリル
仕入書記載額900万円。買手は、売手が輸入貨物の製造会社へ負う債務100万円を、売手の指示で直接弁済した。他の費用はない。現実支払価格はいくらか。
解答
1,000万円。100万円は売手のための間接支払であり、仕入書外であっても現実支払価格に含む。