第1部 現実支払価格と課税価格

論点1L 売手帰属収益と配当・一般利益

判断課題

輸入許可後に買手から売手へ送金される金額は、すべて課税価格に算入するか。

原則

買手による輸入貨物の処分又は使用による収益のうち、直接又は間接に売手へ帰属するものは加算する。輸入貨物と関係のない配当、融資利息その他の支払は含まれない。

貨物の処分・使用による収益 × 売手への帰属 = 加算候補。

課税価格に算入する事例 [加算] 課税価格に算入しない事例 [別2]
輸入品の国内売上額の5%を、利潤分配条項に基づき売手へ支払う。 買手が株主である売手へ、輸入取引と無関係な配当を行う。
輸入機械の国内賃貸料の一部を売手へ帰属させる契約がある。 売手からの借入金に対する通常の利息を支払う。

結論を分ける事実

送金の算定基礎が輸入貨物の再販売・使用・処分による収益か。会社法上の配当という名称でも、実態が当該貨物の利潤分配なら名称だけで除外しない。

典型的なひっかけ――誤った考え方

「売手帰属収益の額が未確定でも取引価格方式をそのまま使える」という思い込み。売手帰属収益があるのにその額が明らかでない場合、取引価格方式を適用できない特別な事情になる。

ミニドリル

輸入品の国内売上は1,000万円。契約で売上の3%を売手へ支払う。仕入書記載額は600万円で、他の加算要素はすべて含まれる。課税価格はいくらか。

解答

630万円。売手帰属収益30万円を加算する。