第1部 現実支払価格と課税価格

論点1O 客観的資料・合理的按分

判断課題

加算要素であることは分かるが、今回輸入分の額が分からない。概算で足せばよいか。

原則

法定加算要素は、客観的で数値化された資料に基づき、現実支払価格に含まれていない額だけを加算する。資料がなく加算額を合理的に求められないときは、取引価格方式を使えない。複数貨物に係る一括費用は、数量・価格・使用実績等の合理的方法で按分する。

第1段階:その費用は加算要素か
        ↓ はい
第2段階:今回分の額を資料で再現できるか
        ├─ はい → 合理的に配賦して加算
        └─ いいえ → 任意額を足さず、取引価格方式の使用可否へ戻る

該当性が分かっても、金額を立証できなければ計算は終わらない。

認められる事例 認められない事例
金型費を予定総生産数量に対する今回数量で配賦し、契約・生産計画で立証する。 「だいたい半分」と担当者の感覚だけで配賦する。
一括運賃を重量比例で配賦することが貨物の性状上合理的である。 高密度品と容積品が混在するのに、理由なく均等割する。

結論を分ける事実

計算式だけでなく、その配賦基準が費用発生との関係で合理的か、資料で再現できるか。

典型的なひっかけ――誤った考え方

「加算要素に該当すれば、金額の立証は不要」という思い込み。評価は「該当性」と「金額」の二段階である。

ミニドリル

国外デザイン費120万円がA商品4,000個、B商品2,000個の双方へ同程度に使用され、数量比例が合理的である。今回Aを1,000個輸入する。A今回分への加算額はいくらか。

解答

20万円。全対象6,000個のうち1,000個分として配賦する。