第3部 申告書の読み方・書き方
論点3G 「少額」という同じ言葉を分離する
判断課題
20万円以下なら関税が免税になるか。1万円以下なら申告書問題の少額合算になるか。
原則
次の制度は基準額と目的が異なる。
同じ「少額」でも、欄処理・簡易税率・免税は別制度。
| 制度・処理 | 基準の中心 | 意味 |
|---|---|---|
| 少額貨物の申告欄処理 | 20万円以下(公式問題の指示) | 異なる品目番号を一欄へ取りまとめる試験上の処理 |
| 少額輸入貨物の簡易税率 | 課税価格合計20万円以下 | 原則として7区分の簡易税率を適用する制度。申出による一般税率選択等あり |
| 少額輸入貨物の関税免税 | 課税価格合計1万円以下 | 一定の除外貨物を除く関税免税 |
| 個人使用貨物の卸取引段階への調整 | 現行制度の所定要件 | 海外小売価格に0.6を乗じる実務上の取扱い。第60回基準日現在は存続 |
個人使用貨物の0.6掛け特例の廃止は、関税定率法等の一部を改正する法律(令和8年法律第5号)として成立・公布済みであり、2028年4月1日に施行される。2026年7月1日の試験基準日には未施行なので、現行制度と混同しない。
結論を分ける事実
何のための金額基準か、課税価格の合計か番号ごとの申告価格か、法令制度か設問上の入力処理か。
典型的なひっかけ――誤った考え方
「20万円以下なら免税」「1万円以下なら申告不要」と一律に短絡する誤り。免税でも価格申告・他法令・統計等の論点は残り得る。
ミニドリル
課税価格15万円の一般貨物は、金額だけを理由に関税免税となるか。
解答
ならない。1万円以下の免税基準を超える。20万円以下は簡易税率や申告欄処理で現れる別の基準である。