第1部 現実支払価格と課税価格
論点1I 無償提供された設計・技術――開発場所が境界になる
判断課題
買手が無償提供したデザイン費は加算するか。
原則
輸入貨物の生産のために必要とされた技術、設計、考案、工芸、意匠で、本邦以外で開発されたものを買手が無償・値引提供した場合は加算対象となる。国内開発であることだけで、材料や金型まで非加算になるわけではない。
課税価格に算入する事例 [加算] |
課税価格に算入しない事例 [別2] |
|---|---|
| 買手が外国のデザイン会社へ有償委託して作らせた衣類デザインを、外国の縫製業者へ無償提供する。 | 買手が本邦で開発させた同じ衣類デザインを無償提供する。 |
| 国外で開発された製造図面を値引提供し、輸入機械の生産に使わせる。 | 輸入後の国内広告用レイアウトで、生産に必要でない。 |
結論を分ける事実
- 生産のために必要か。
- 買手が提供したか。
- どこで開発されたか。
典型的なひっかけ――誤った考え方
- 「無償提供=全部加算」という思い込み。
- デザイン提供とロイヤルティ支払を、同じ要件で判定できるという思い込み。
- 法定表示だけを記載したラベルと、商品価値を構成するデザインラベルを、同じものに見せて混同させる設問。
ミニドリル
A:東京のデザイナーが開発した衣類図案30万円。B:パリのデザイナーが開発した衣類図案30万円。いずれも買手が取得し、外国の縫製業者へ無償提供した。どちらを加算するか。
解答
Bを加算する。Aは本邦で開発された役務であるため、この無償提供役務の加算要件には該当しない。