第7部 通関業法の論点
論点7D 欠格事由――数字は3段階に分かれる
第60回(令和8年)対応|法令・告示・通達の基準日:2026年7月1日
過去問実績: 第54〜59回で6問(6回)。主な根拠条文: 通関業法第6条。
判断課題
示された前歴が第6条各号のどれに当たり、その欠格期間は何年か。そして経過期間が足りているか。
原則
財務大臣は、許可申請者が第6条各号のいずれかに該当する場合には通関業の許可をしてはならない。期間の起算点は、刑については刑の執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日、通告処分については通告の旨を履行した日、処分については処分を受けた日である。
| 欠格期間 | 該当する事由(通関業法第6条) |
|---|---|
| 3年 | 三号 拘禁刑以上の刑に処せられた者/四号 関税法第108条の4〜第112条の規定に該当する違反行為をして罰金の刑に処せられた者、及び国税・地方税のほ脱等の罪の罰金刑、並びに関税法・国税通則法・地方税法による通告処分を受けた者/五号 通関業法違反による罰金の刑に処せられた者 |
| 2年 | 六号 暴力団対策法違反、刑法第204条・第206条・第208条・第208条の2第1項・第222条・第247条の罪、暴力行為等処罰に関する法律の罪による罰金の刑/八号 第11条第1項第1号若しくは第34条第1項による許可の取消し、又は第35条第1項による通関業務従事の禁止の処分を受けた者/九号 公務員で懲戒免職の処分を受けた者 |
| 5年 | 七号 暴力団員、又は暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者 |
| 期間の定めなし | 一号 心身の故障により通関業務を適正に行うことができない者(財務省令で定めるもの)/二号 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者/十号 役員に前各号該当者がある法人/十一号 暴力団員等によりその事業活動を支配されている者 |
結論を分ける事実
- 刑の種類。拘禁刑以上か、罰金刑か。罰金刑は罪名によって3年(四号・五号)と2年(六号)に分かれる。
- 罰金刑の根拠法令が限定列挙に含まれるか。含まれなければそもそも欠格でない。
- 起算日から現時点までの経過年数。
- 法人の場合、役員に該当者がいないか(十号)。
典型的なひっかけ――誤った考え方
- 欠格期間をすべて「3年」で統一する思い込み。拘禁刑以上・関税法等/国税地方税/通関業法の罰金と通告処分は3年、暴力系罰金・許可取消し等の処分歴・懲戒免職は2年、暴力団員離脱は5年と3段階ある。
- 「罰金刑ならすべて欠格」という誤り。罰金刑が欠格となるのは関税法等・国税地方税・通関業法・暴力系の限定列挙の罪に限られる。
- 破産者は復権を得ても一定期間欠格という誤り。復権を得れば直ちに欠格でなくなる(期間の定めなし)。
- 通告処分(関税法等)は刑罰でないから欠格と無関係という思い込み。通告の旨を履行した日から3年は欠格である。
- 執行猶予中・刑の言渡し時から起算する誤り。起算点は執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日である。
ミニドリル
A:甲は関税法第110条違反により罰金10万円に処せられ、その刑の執行を終わった日から2年6か月が経過した。B:乙は暴力行為等処罰に関する法律違反により罰金10万円に処せられ、その刑の執行を終わった日から2年6か月が経過した。それぞれ通関業の許可を受けられるか。
解答
Aは第6条第4号イ(関税法第108条の4から第112条までの規定)に該当し欠格期間は3年であるから、2年6か月では欠格事由に該当し許可を受けられない。Bは第6条第6号に該当し欠格期間は2年であるから、既に経過しており(他に事由がなければ)許可を受けられる。罰金の額も経過期間も同じだが、根拠法令が3年組か2年組かで結論が割れる。
最低限おさえる型
数字の型=拘禁刑以上・関税/国税地方税/業法の罰金と通告処分は3年、暴力系罰金・取消し/従事禁止処分・懲戒免職は2年、暴力団員は離脱後5年。破産は復権で即解消。