過去問統計 02

2. 申告書作成問題のHS類ランキング

通関実務の申告書作成問題(輸出第1問・輸入第2問)は、対象とした6回では毎回6品目の仕入書を分類させる形式です。6回分の題材と、登場した類の全ランキングを示します。

2.1 6回分の題材一覧

表中の太字・色付きの数値は、その表の列内最大値の70%以上(と6回皆勤)を示す表示上の強調です。統計的な有意差を示すものではありません。

表は横にスクロールできます。

回(年) 輸出申告(第1問) 主な類 輸入申告(第2問) 主な類
第54回(2020) プラスチック製品等 39・91・96 雑貨(キャンプ用品等) 39・42・63・85・94
第55回(2021) 文房具等 32・42・48・83・90・96 米国産食料品・飲料 17・19・20・21・22
第56回(2022) 機械等 84・85・88・90 食器等 39・63・74・82・94
第57回(2023) 衣類 61・62 米国産食材 02・03・05・07・08
第58回(2024) 楽器等 42・92・94・95・97 中国産スポーツ用品 39・42・64・95
第59回(2025) 飲料 20・22 中国産竹製品等 44・46・70・96

輸出と輸入で題材の作り方が異なる点に注意してください。輸出申告には「1〜2類の中の細かい境界」(57回=衣類の61類/62類、59回=飲料の20類/22類)を突く年と、雑多な品目を広く並べる年があります。一方、輸入申告は6回とも「一つのテーマの周辺で3〜5類をまたぐ」構成です。

2.2 輸出申告に登場した品目の類(全19類)

順位 類 類の内容 品目数 出題回 出題された品目の例
1 第22類 飲料・アルコール・食酢 4 第59回 麦芽製ビールテイスト飲料、スパークリングウォーター(レモン香味付け炭酸水)、レモネード、コーヒー飲料(無糖)
1 第62類 衣類(織物製等) 4 第57回 男女兼用アノラック、女子用ショール、女子用防水アノラック、男子用シャツ
3 第39類 プラスチック製品 3 第54回 プラスチック製タオルフック、プラスチックシート製カーテン、プラスチックシート製手袋
3 第85類 電気機器 3 第56回 ガラス製光ファイバーケーブル(個々に被覆したファイバーから成るもの)、LED光源(キャップ付きLEDランプ)、GPS受信機
3 第96類 雑品 3 第54回・第55回 デジタルカメラ用プラスチック製三脚、プラスチック製くし、万年筆と油性ボールペンのセット
6 第20類 野菜・果実の調製品 2 第59回 ノンアルコールワイン、りんご・にんじん混合フレッシュジュース
6 第42類 革製品・バッグ類 2 第55回・第58回 革製ペンケース、バイオリンケース
6 第61類 衣類(メリヤス編み・クロセ編み) 2 第57回 ネクタイ、男子用無地Tシャツ
6 第90類 光学機器・精密機器 2 第55回・第56回 プラスチック製浮出し地球儀、光学的に研磨したガラス鏡(取り付けてないもの)
6 第92類 楽器 2 第58回 グランドピアノ、バイオリンスターターキット(バイオリン・ケース・弓・ロジンのセット、重要な特性はバイオリン)
11 第32類 染料・インキ等 1 第55回 万年筆用インクカートリッジ(黒)
11 第48類 紙・紙製品 1 第55回 紙製ノートブック
11 第83類 各種の卑金属製品 1 第55回 鉄製ブックエンド
11 第84類 機械類(原子炉・ボイラー等) 1 第56回 3Dプリンティング用機械(ゴム堆積式)
11 第88類 航空機 1 第56回 無人ヘリコプター
11 第91類 時計 1 第54回 プラスチック製腕時計ケース
11 第94類 家具・寝具・照明器具 1 第58回 譜面台(スチール製・三脚ベース・床置き用)
11 第95類 がん具・遊戯用具・運動用具 1 第58回 玩具のグランドピアノ(無償)
11 第97類 美術品・骨とう 1 第58回 バイオリン

2.3 輸入申告に登場した品目の類(全23類)

順位 類 類の内容 品目数 出題回 出題された品目の例
1 第39類 プラスチック製品 4 第54回・第56回・第58回 プラスチック製フォーク、プラスチック製ハンドル(鉄鋼製ドアへの恒久的取付け用)、プラスチック製家具用ちょうつがい、ヨガマット
2 第63類 紡織用繊維のその他の製品 3 第54回・第56回 ポリエステル製空気マットレス、ポリエステル製テント、中古の革製帽子(毛皮付き・サック入り提示)
3 第08類 食用の果実・ナット 2 第57回 フリーズドライラズベリー(ホール・砂糖無添加)、冷凍ブルーベリー(砂糖無添加)
3 第22類 飲料・アルコール・食酢 2 第55回 麦芽製ビール、レモネード(ノンアルコール)
3 第42類 革製品・バッグ類 2 第54回・第58回 紡織用繊維製リュックサック、野球用グローブ
3 第44類 木材・木製品 2 第59回 竹製スプーン、竹製ほうきの柄
3 第46類 組物・かご細工物 2 第59回 籐(ラタン)組物製ハンドバッグ、竹組物製フルーツバスケット
3 第64類 履物 2 第58回 野球靴用金属スパイク(履物の部分品)、スノーボードブーツ
3 第94類 家具・寝具・照明器具 2 第54回・第56回 ポリエステル製寝袋、羽毛・ダウン詰め枕
3 第95類 がん具・遊戯用具・運動用具 2 第58回 スケート靴、野球ボール
11 第02類 肉・食用くず肉 1 第57回 冷凍フォアグラ
11 第03類 魚・甲殻類等 1 第57回 冷凍ムール貝
11 第05類 動物性生産品(その他) 1 第57回 冷凍ソーセージケーシング
11 第07類 食用の野菜等 1 第57回 冷凍黒トリュフ
11 第17類 糖類・砂糖菓子 1 第55回 チューインガム
11 第19類 穀物・穀粉の調製品 1 第55回 クッキー(砂糖・ココア入り)
11 第20類 野菜・果実の調製品 1 第55回 トマトジュース
11 第21類 各種の調製食料品 1 第55回 アイスクリーム
11 第70類 ガラス・ガラス製品 1 第59回 竹枠鏡
11 第74類 銅・銅製品 1 第56回 銅製バターディッシュ(貴金属めっきなし)
11 第82類 卑金属製の工具・刃物・スプーン 1 第56回 ステンレス鋼製ナイフ・フォーク・スプーンのセット
11 第85類 電気機器 1 第54回 携帯用LEDランプ(自己電池式)
11 第96類 雑品 1 第59回 やし繊維結束製キッチンブラシ

2.4 項(4桁)レベルで複数回登場したもの

類より細かい項のレベルで2回以上登場したのは次の9項だけです。同じ項が繰り返し出るというより、「頻出の類の中で毎回別の項を突いてくる」のが実態です。

項 品目数 出題回 申告の別
22.02 5 第55回・第59回 輸入・輸出
20.09 3 第55回・第59回 輸入・輸出
39.24 3 第54回 輸入・輸出
42.02 3 第54回・第55回・第58回 輸入・輸出
39.26 2 第54回・第56回 輸入・輸出
46.02 2 第59回 輸入
63.06 2 第54回 輸入
94.04 2 第54回・第56回 輸入
95.06 2 第58回 輸入

2.5 申告書統計の読み方

2.6 6品目を5欄へ――とりまとめの実績分析

申告書作成問題は6回とも仕入書6品目・申告欄5欄です。必ずどこか1欄が2品目以上を抱えるため、どの規則でまとめたかが毎回問われます。正答の10桁目(X=異なる番号を合算した欄、E=一欄一品目で少額の欄)から、12問すべてを判定しました。

回 別 (a)〜(e)の品目番号 まとめ方
第54回 輸出 3924.90-0000 / 9620.00-0003 / 9615.11-0002 / 3926.20-0003 / 9111.80-000E 同一番号
第54回 輸入 6306.40-9001 / 9404.30-0006 / 8513.10-0002 / 3924.10-0003 / 4202.92-000X 少額合算
第55回 輸出 9023.00-0000 / 9608.50-0005 / 3215.90-0004 / 8304.00-0003 / 4202.91-000X 少額合算
第55回 輸入 1704.10-0005 / 1905.90-3123 / 2202.91-2003 / 2009.50-2003 / 2105.00-191X 少額合算
第56回 輸出 8485.20-0006 / 8544.70-1001 / 9001.90-0003 / 8806.24-0004 / 8539.52-000X 少額合算
第56回 輸入 7418.10-0001 / 6309.00-0003 / 9404.90-0002 / 3925.90-0005 / 8215.20-000X 少額合算
第57回 輸出 6117.80-0006 / 6202.40-0002 / 6214.20-0005 / 6210.30-000X / 6109.10-9005 少額合算
第57回 輸入 0710.80-0904 / 0307.32-0005 / 0207.55-1002 / 0504.00-011E / 0813.40-010X 少額合算
第58回 輸出 9706.90-0000 / 9201.20-0002 / 9403.20-1006 / 9503.00-000X / 9202.10-0003 少額合算
第58回 輸入 6406.90-2902 / 6404.11-0005 / 9506.70-0000 / 4203.21-210X / 3921.12-0000 少額合算
第59回 輸出 2009.61-0002 / 2203.00-0004 / 2009.90-0001 / 2202.10-0003 / 2202.99-090E 同一番号
第59回 輸入 4602.12-0003 / 4419.19-0005 / 4602.11-9001 / 4417.00-020X / 7009.92-000E 少額合算
まとめ方 問数 割合
少額合算(価格でまとめる。10桁目X) 10 83%
同一番号のとりまとめ(品目でまとめる) 2 17%

有税/無税の分別は輸入で6回連続、ただし「同時発生」は未出

輸入申告(第2問)の設問指示は、6回とも次の一文を含みます。輸出申告(第1問)には6回とも登場しません。関税がかからない輸出では有税・無税の区別が存在しないためで、有税/無税の分別は輸入申告に固有の処理です。

品目番号ごとの申告価格が20万円以下であるもの(略)がある場合には、その品目番号が異なるものであっても、これらを関税が有税である品目と無税である品目に分けて、それぞれを一括して一欄にとりまとめる。

代表番号の選び方は有税と無税で異なり、ここが最大の失点源です。

区分 代表番号の選定基準 10桁目
有税の品目 とりまとめる前のうち関税率が最も高いもの X
無税の品目 とりまとめる前のうち申告価格が最も大きいもの X

有税側だけが「税率」基準で、価格ではありません。さらに、この有税側の但し書きは第56回で追加されています。

回 有税側の但し書き
第54・55回 「関税率が最も高いもの」のみ
第56回以降 「関税率が最も高いもの(同一の関税率が適用される場合は申告価格が最も大きいもの)」

税率が並んだときのタイブレークが明文化され、第56回以降の4回で定着しています。第54・55回だけで練習するとこの分岐を知らないまま本番に入ることになります。また第59回は記2から「(上記1によりとりまとめたものを含む。)」が落ちており、毎年「記」を読み直す必要があることの実例になっています。

未出パターン: 指示は6回とも置かれているにもかかわらず、有税の合算欄と無税の合算欄が同じ問題で同時に立った実績はありません。6回とも少額貨物が有税側か無税側の一方に寄っており、Xは常に1欄です。指示文が一貫して用意されている以上、出題側はいつでもこの形を投げられる状態にあります。少額だけで2欄を消費し、残り3欄に高額品を並べる枠配分は、過去問の演習だけでは経験できません。この未出パターンはケースで身につく通関実務 論点3Jで補っています。