第60回 関税法等 第15問 解答
出典: 第60回(2026年)関税法等 第15問(配点2点)税関 通関士試験
正解
1、2、3
解説
解説は現在、無料で公開しています。条文は法令の条文から、通達は基本通達や告示から、設問は設問に与えられた表や別冊から判定できることを示します。
結論
肢1・2は暫定令28条の本文とただし書、肢3は暫定令27条1項3号のとおりである。肢4は特恵関税を不当廉売関税と排他にする規定が無く、肢5は「いかなる場合も」が暫定令26条と食い違う。
根拠
暫定令28条は、原産地証明書を「輸入申告(蔵入れ申請等がされる物品については、当該蔵入れ申請等…)」の際に提出させる。蔵入れ申請等とは、暫定令14条が定義する関税法43条の3第1項の承認の申請などである。ただし書は二つの場合に提出時期をずらす。一つは「災害その他やむを得ない理由によりその際に提出することができないことについて税関長の承認を受けたとき」である。もう一つは「同法第七十三条第一項…に規定する税関長の承認を受けることを条件として税関長の承認を受けたとき」である。
暫定令27条1項ただし書は、原産地証明書を要しない物品として三つを挙げる。原産地が明らかな物品(1号)、課税価格の総額が20万円以下の物品(2号)、特例申告貨物(3号)である。3号からは「原産地証明書の提出の必要があると税関長が認めるもの」が除かれている。
各肢
- ○ 条文 暫定令28条本文は、蔵入れ申請等がされる物品について、その蔵入れ申請等の際に原産地証明書を提出させる。暫定令14条は、蔵入れ申請等に関税法43条の3第1項の承認の申請を含める。ただし書の承認を受けたときは提出時期が後になるので、本肢の除外の書き方とも合う。
- ○ 条文 暫定令28条ただし書後段の文言どおりである。輸入許可前引取りの承認を受けることを条件とした税関長の承認があれば、輸入申告の際に提出しなくてよい。
- ○ 条文 暫定令27条1項3号は、特例申告貨物である物品を提出不要の物品に挙げる。税関長が提出の必要を認めるものは除かれる。なお同条3項により、特例申告書には適用を受ける旨と原産地証明書の発給を受けている旨を記載する。
- ✕ 条文 関税定率法8条1項の不当廉売関税は「別表の税率による関税のほか」に課される追加の関税である。暫定法8条の2も暫定令も、不当廉売関税が課されることを特恵関税を適用しない事由として定めていない。特恵関税を停止できるのは、暫定法8条の2第2項の便益除外と、暫定法8条の3の本邦産業に損害を与える場合の緊急停止である。
- ✕ 条文 暫定令26条1項2号は、他国の原料を用いて生産された物品でも、その国で一定の実質的な変更を加えたものをその国の原産品とする。同条2項は、本邦から輸出された物品を原料とした場合の扱い(自国関与)も定める。「いかなる場合も」適用を受けられないわけではない。