第6部 関税法等の制度論点
論点6E 申告納税方式・賦課課税方式――賦課課税は限定列挙
第60回(令和8年)対応|法令・告示・通達の基準日:2026年7月1日
過去問実績: 第54〜59回で6問(6回)。主な根拠条文: 関税法第6条の2。
納付の実務フロー(第3科目)は論点5Gで扱う。
判断課題
問題文の関税が申告納税方式か、賦課課税方式か、それとも特別の手続を要しないで確定する延滞税かを、限定列挙に当てはめて判別する。
原則
税額の確定は申告納税方式が原則であり、賦課課税方式によるものは第6条の2第1項第2号に限定列挙される。列挙されていなければ申告納税方式に戻る、という構造で判定する。
| 賦課課税方式によるもの(限定列挙) | 原則(申告納税方式)にとどまるもの |
|---|---|
| 入国者の携帯品・別送品その他これに類する政令で定める貨物 | 一般の輸入貨物 |
| 課税価格20万円以下の郵便物、及び20万円超でも寄贈物品等 | 課税価格20万円超の郵便物(寄贈物品等を除く)、輸入申告を行う旨の申出があった郵便物 |
| 相殺関税・不当廉売関税のうち調査期間内に輸入されたものに課すもの | 調査期間外の輸入に課す通常の相殺関税・不当廉売関税 |
| 一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされている関税 | ― |
| 関税法・関税定率法以外の法律で賦課課税とされる関税 | ― |
| 過少申告加算税・無申告加算税・重加算税 | ―(延滞税は賦課課税ではなく自動確定) |
延滞税は、賦課課税方式ではなく、特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する(関税法第6条の2第2項)。
結論を分ける事実
- 郵便物であれば、課税価格が20万円を超えるか、寄贈物品等か、輸入申告を行う旨の申出があるか。
- 相殺関税・不当廉売関税であれば、調査期間内の輸入に課すものか。
- 附帯税であれば、加算税3種(賦課課税)か延滞税(自動確定)か。
典型的なひっかけ――誤った考え方
- 「郵便物はすべて賦課課税」という思い込み。課税価格20万円超なら原則どおり申告納税方式であり、輸入申告が必要になる。
- 逆に、寄贈物品等は課税価格が20万円を超えても賦課課税方式のままである点の見落とし。
- 延滞税を賦課課税方式に分類する誤り。延滞税は税関長の処分を待たずに自動確定する。
- 「附帯税はすべて賦課課税」という一括り。加算税3種は賦課課税、延滞税だけが自動確定という区別である。
ミニドリル
A:課税価格25万円の商品見本が国際郵便で届いた。B:課税価格25万円の寄贈物品が国際郵便で届いた。税額確定の方式はそれぞれどうなるか。
解答
Aは申告納税方式である。課税価格20万円超の郵便物は賦課課税の対象から除外され(関税法第6条の2第1項第2号ロ)、原則に戻って輸入申告・納税申告を要する。Bは賦課課税方式である。寄贈物品等は20万円超でも除外されず、賦課課税のままとなる(同号ロかっこ書)。金額が同じでも貨物の性格で方式が割れる。
最低限おさえる型
賦課課税=携帯品・別送品/20万円以下郵便物(寄贈物品等は金額不問)/調査期間内の特殊関税/即時徴収/加算税。延滞税は自動確定。